発達障害ADHD主婦が語る|障がい者雇用で採用されるまでの就活体験記

障がい者雇用の面接で、デスク越しに話を聞く二人の男性面接官と女性応募者のイメージ 働くADHD
※画像出典:photoAC

私は長年家庭に引きこもっていた発達障害(ADHD)の主婦です。十数年のブランクを経て、数か月前から障害者雇用で週5日事務のパートをしています。

就職活動を始めてから採用されるまで、かかった時間はなんと5か月です!

この記事では、そんな私の就職活動や、感じたことなどをシェアしていきます。障がい者雇用での就職を検討中の方や、発達障害の方の就職活動の参考にしていただけたら嬉しいです。

就職しようと思ったきっかけ

私は子どもが1人いる既婚者で、妊娠をきっかけにフルタイムの仕事を辞めて家庭に入りました。その後専業主婦の期間を経て、今回の就職活動で採用されるまでの数年間は在宅ワークをしていました。

大した学歴・職歴もない、十数年ブランクのある中高年女性です。

ただでさえ外で働くには不利な条件ですが、さらに年齢を重ねたらもっと不利になるのは目に見えています。それに、家にずっといて家族としか会話しない生活を送っていたので、現役感が薄れてしまい、世間とズレてきているのも自覚していました。

若い頃、年金の知識がなくて未納の時期があり、見込み額も心もとないです。

「このままでは、近い将来まずいことになる!」

そう危機感を抱き、外に働きに出ることにしました。

振り返ってみて

働く理由を自分の言葉でハッキリさせておいて良かったと思います。迷ったとき、就職を諦めそうになったときに思い出して気持ちを立て直すことができました。

世間とのズレは思った以上!精神的な甘さを自覚することに

私は在宅ワークをしていたこともあり、パソコンに抵抗感はありませんでした。また、就職活動をする1年以上前から薬を服用し困りごとも改善していたので「発達障害は言わなくても大丈夫」と思いました。そこで、とりあえず人材派遣を数社選び、フルタイムの仕事を探すことにしました。

ダメな自分に気付く

ところが、担当者との電話や登録面接が、思った以上にダメで驚きました。

  • 欲しい時給を聞かれ、最低時給を下回る金額を答えてしまい「えっ」と絶句され
  • 混雑する通勤時間帯の駅で上手く歩けず転んだり、足がもつれたり
  • ビジネスにふさわしい言葉使いがとっさに出てこなくてしどろもどろ
  • 短時間の登録会に行っただけでぐったり

こんな体たらくで、想像以上に自分の現役感覚が落ちていることに気づきました。

1か月半ほどで、「いきなりフルタイムで働くのは、無理かもしれない」「一般雇用は自信がない……障がい者雇用も視野に入れる?」と思うようになりました。

そのとき気づいたこと

理想の働き方も大事ですが、まずは自分の現状を見極め、それに合った働き方を探す方が現実的だと気付きました。

就職活動の厳しさを覚悟する

就職活動の立て直しをするため、とりあえず最近の就職事情を探ることに。「専業主婦 再就職」「障がい者雇用」など、いろいろなキーワードでネットやSNSを検索してみました。

すると、私よりも好条件の専業主婦の方でも、再就職までに数社~十数社落ちていることが判明。障がい者雇用で検索した書き込みではさらに落ちた件数が多くて、中には80社落ちたという投稿もありました。

私は条件が悪いですから、採用されるのはかなり厳しそうです。そこで「100社落ちる前に決まれば嬉しい」くらいの気持ちで、淡々と就職活動を続けていくことにしました。

振り返ってみて

本格的に応募し始める前に「落ちるのは想定内」と腹を括っていたので、実際に連続して落ちてもそこまでメンタルをやられずにすみました。

「またお祈りメール」発達障害ADHD主婦の障がい者雇用リアル就活記録

再就職までたくさん落ちると予想したので「数撃ちゃ当たる作戦」をとることにしました。以降はネットとハローワークで時間と場所、仕事内容が合う職場が見つかったら、どんどん応募していき、31件目の応募で採用されました。

応募した31社の結果

応募した結果は以下の通りです。

  • 書類選考通過→1次面接通過→2次面接で採用:1社
  • 書類選考通過→面接→辞退:2社
  • 書類選考通過→面接落ち:2社
  • 書類選考/エントリー落ち:17社
  • 返信なし:9社
どこで求人を見つけたか雇用の種類職種結果
1ハローワーク障がい者雇用
契約社員
事務書類選考落ち
2ハローワーク障がい者雇用
契約社員
事務・雑務書類選考落ち
3BABナビ障がい者雇用
契約社員
事務返信無し
4ディンプルチャレンジ障がい者雇用
契約社員
事務・雑務エントリー落ち
5インディード障がい者雇用
契約社員
事務書類選考通過
1次面接落ち
6せんとなび障がい者雇用
契約社員
事務・雑務エントリー落ち
7せんとなび障がい者雇用
契約社員
事務・雑務エントリー落ち
8求人BOX障がい者雇用
契約社員
事務エントリー落ち
9インディード障がい者雇用
契約社員
事務返信無し
10インディード障がい者雇用
契約社員
事務返信無し
11ハローワーク障がい者雇用
パート
事務・雑務書類選考落ち
12求人BOX障がい者雇用
パート
事務エントリー落ち
13dodaエージェントサービス障がい者雇用
契約社員
事務エントリー落ち
14ハローワーク障がい者雇用
契約社員
雑務書類選考落ち
15BABナビ障がい者雇用
パート
雑務返信無し
16BABナビ障がい者雇用
契約社員
事務返信無し
17BABナビ障がい者雇用
契約社員
事務返信無し
18BABナビ障がい者雇用
パート
雑務返信無し
19インディード障がい者雇用
パート
事務エントリー通過
Web面接で辞退
20インディード障がい者雇用
契約社員
事務エントリー落ち
21BABナビ障がい者雇用
パート
小物の製作返信無し
22カイゴジョブ障がい者雇用
契約社員
事務返信無し※
23ハローワーク一般雇用
パート
事務書類選考通過
面接後辞退
24ジョブメドレー一般雇用
契約社員
事務エントリー落ち
25ジョブメドレー一般雇用
パート
事務エントリー落ち
26女の転職type一般雇用
正社員
支援員エントリー通過
Web面接落ち
27ハローワーク障がい者雇用
契約社員
事務書類選考落ち
28ジョブメドレー一般雇用
契約社員
支援員エントリー落ち
29エン転職障がい者雇用
契約社員
事務エントリー落ち
30ハローワーク一般雇用
契約社員
事務書類選考落ち
31ハローワーク障がい者雇用
パート
事務採用

※22件目は応募先からは返信がありませんでしたが、運営からご連絡いただき誠実にご対応いただきました。

自分から辞退したケースもあった

19件目の企業は、Web面接の際、面接官の身だしなみが非常にだらしなかったのと、提示された時給と労働時間が少なく副業は禁止(パートなのに!)とのことだったため、面接中に辞退しました。

23件目の企業は、一般雇用で発達障害があるとオープンにしない「クローズド」状態で応募しました。パートの面接に役職付きの方が3人も面接官として並んでおり、案内してくださった女性2名もとても優しそうで感じの良い方でした。もしもこのままクローズドで採用されたら、薬の服用や通院など、ずっとコソコソしたり嘘をついたりすることになります。けれども、とても良い人達だったので申し訳なくなってきて辞退しました。

薬や通院が必要なことは分かっていたのにクローズドで申し込んだのは、きっと心のどこかで自分が発達障害だということを受け止めきれていなかったのだと思います。
その後も一般雇用で応募しましたが、23件目の時に発達障害をずっと隠すのは難しいという結論に至ったため、面接やエントリーの段階で発達障害だと明かすオープンな形をとることにしました。

そのとき気づいたこと

就職は長期的な関係の入り口ということを念頭に、無理せず自然体でいられる職場を選びたいと思いました。

効率よく応募するためにしたこと

就職活動が短いに越したことはありません。そこで、応募して返事を待っている間でも、条件が合う会社があったらどんどん応募していきました。なので就職活動中は、ほとんど返事待ちのストックを抱えている状態でした。

振り返ってみて

応募先の企業にとって私はたくさんいる求職者の1人ですが、私にとってもたくさんある応募先の1つと割り切れたので、落ちても凹まないで応募を続けられました。

ハローワークに感謝!

※画像出典:photoAC

SNSなどで障害者雇用について調べると、ハローワークには良い求人がない、職員の対応が悪いなどマイナスの書き込みが目立つ気がします。地域の傾向や個人差はあるかと思いますが、私はハローワークの担当者さんにとても感謝しています。

私が利用したハローワークでは、障がい者雇用の窓口の担当者がとても親切でした。職務経歴書や履歴書の添削といった分かりやすい支援だけではなく、対話によって自分の考えを言葉でつたえる練習になったし、自分を客観視する助けにもなりました。

また、27件目の求人に応募するためハローワークに行ったときに、何気なく「ハローワーク以外にも応募してて、もう30件近くなりますが、まだ決まらないんですよね」と話したところ、未公開求人も紹介してもらえる無料の支援センターを紹介していただけました。

登録のための面談や契約などと並行して話を進めていた企業に採用され、支援センターに求人を紹介してもらうことはなかったのですが、面接のアドバイスをいただいたり、出勤初日の前にリマインドしてくださったり、とても丁寧に支援していただけました。

そのとき気づいたこと

自分から相談・行動することで、道が開けたり、繋いでいただけたりすることもあるので、状況を変えたいときは、まず動いてみることが大切だと思いました。

障がい者雇用の書類選考の現実

履歴書と開かれたノートパソコン
※画像出典:photoAC

障がい者雇用で就職することを検討中の方や、就活真っ最中の方に、ぜひ知っていただきたい数字があります。実は障がい者雇用における書類選考通過率は、3~10%程度※1なんです!落ちて当たり前といってもいいくらいの数字ですよね。

ちなみに、「障がい者雇用」と限定しない場合は30~50%※2といわれているそうです。

※1 スグJOB
※2 インディードキャリアガイド

分かったこと

この数字は採用された後に知ったのですが、自分の就活の数字に近いですし、SNSの書き込みとも整合性があるため、ものすごく腑に落ちました。

普通の就職活動のような感覚でいると「なんで書類選考に通過しないんだろう」と落ち込んでしまいそうですが、もともと狭き門なので、履歴書・職務経歴書のブラッシュアップをしつつ応募を続けていったほうが良いと思います。

企業から信頼感を得るには

いくら履歴書や職務経歴書でやる気や能力をアピールしても、それが本当かどうか企業が判断するのは難しいですよね。そういう心配を払拭するには、本人以外の証明があると信頼感があるはずです。

支援機関と繋がっていると企業側の安心感につながるのではないかと思います。

また、ネットや新聞などに公開されている実績がある場合や、資格がある場合も能力の証明になると思います。

振り返ってみて

実際に障がい者雇用の就職活動を経験して、求職者が「この会社でやっていけるかな」と不安に思うのと同じように、企業側も「この人はうちの会社で馴染んでくれるかな」と心配しているように感じました。

特に発達障害などの精神障害は、勤怠の安定やコミュニケーションの面で企業に不安感を持たれやすいと思います。できれば採用後も定着支援を受けた方が、企業・本人両方にとって安心感があるのではないでしょうか。

まとめ

5か月間は長かったけれど、就職活動の初期段階で「100社落ちる前に決まれば嬉しい」と落ちることを前提に考えられたので、あんまり凹まずにいられました。

もしも今、就職活動が上手くいかなくても、それはまだ道の途中にいるということなので、歩き続ければゴールに近づいていくはずです。

ガイドさん(支援機関やハローワークの障がい者窓口)に相談して、道具(履歴書・職務経歴書)のバージョンアップを続ければ、意外に早くゴールにつけるかもしれません。

繰り返しになりますが、書類選考通過率はたったの3~10%なので、気楽にどんどん応募していきましょう!

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